認知症の予防【有酸素運動】

認知症を予防するためには、健康的なライフスタイルの維持が不可欠です。その中でも「運動」が認知機能の向上に効果的とされています。有酸素運動が認知症の予防に有効とされており、無酸素運動と組み合わせて実施するさらに効果が期待できます。それぞれの運動の特徴を理解し、バランスよく取り入れるようにしましょう。

有酸素運動とは酸素を使ってエネルギーを生成する運動で、ウォーキング(水中ウォーキング)、ジョギング、サイクリング、水泳など、ある程度の時間無理なく続けられるような運動を指します。運動の強度は個人の体力に合わせて調整し、無理のない範囲で行うことが大切です。

これらの汗をかく程度の運動を「一日最低でも20分、週に3回程度」行うことが理想的といわれています。 有酸素運動は体に酸素を取り入れながら行うことで心臓や肺の機能を高めることができ、心拍数を上げ持続的に行うことで全身の血行が良くなります。また、筋肉を動かすことで脂肪を燃焼させ内臓脂肪が減るほか、筋肉がブドウ糖を取り込むため血糖値が下がります。さらには、筋肉の動きによって脳の前頭葉が刺激される効果もあります。運動は長続きさせることが重要です。例えば、ウォーキングなどは1人で行うのではなくご家族や友達と会話をしながら歩くことが長続きするコツです。会話をすることで、息が上がらないようにペースを一定に保つことができます。


有酸素運動をすることで得られる効能・効果

  • 脳の構造変化の促進:脳の海馬や前頭葉などの容量を増加させ、脳の構造的変化を促進します。これにより、認知症のリスクを減少させます。
  • 生物学的メカニズム:脳内の神経伝達物質の分泌を促進し、脳血流を改善するなど、生物学的なメカニズムを通じて認知機能の向上に寄与します。
  • 行動学的効果:気分の改善や活動性の向上など、行動面での効果も期待できます。これらは認知機能の維持にも役立ちます。
  • 社会心理学的影響:運動はひとりで行うより同じ目的をもった仲間と一緒に行うことで連帯感と継続性が期待できます。また、社会的な活動性を高めることで認知症予防に寄与します。

有酸素運動に認知課題(簡単な計算やしりとりなど)を組み合わせると、さらに効果的です。この運動方法はコグニサイズと呼ばれるもので、国立長寿医療センターが考案しました。認知症予防のためには、有酸素運動(すなわち「一日最低でも20分、週に3回程度」の運動)の習慣化が重要です。

 

 

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