認知症の予防【無酸素運動】
運動は健康維持だけでなく、認知症の予防にも役立ちます。無酸素運動と有酸素運動を組み合わせて実施することで、さらに効果が期待できます。自分の体調や健康状態に合わせて、無理のない範囲で定期的に行うことが大切です。日常生活に取り入れやすい運動を選ぶことで、長期的に続けやすくなります。ご自身に合った運動を見つけて、健康な生活を送りましょう。
無酸素運動は主に筋肉を使って瞬発力を出す運動で、スクワット、腹筋運動、筋肉トレーニングなど、筋肉量を増やす運動を指します。特別な器具を用いる必要はありません。筋肉量の増加に応じて基礎代謝量(体を動かしていない状態でも消費されるエネルギー量)を増やすため、基礎体温が上昇し太りにくい体質に変わります。
無酸素運動をすることで得られる効能・効果
- 筋力の向上:筋肉を強化し、筋力を向上させます。これにより、サルコペニア(筋肉量の減少)やフレイル(虚弱状態)といった日常生活動作(ADL)の低下を防止することにより、認知症の発症リスクの低減に寄与します。
- 基礎代謝の向上:筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、エネルギー消費が増加します。これにより、認知症の発症リスク因子である肥満や生活習慣病の予防にもつながります。
- 脳への賦活作用:筋肉トレーニングは脳への刺激を促し、認知機能の維持や向上に寄与します。筋肉の動きや感覚が脳に伝わることで、脳の活性化が期待できます。
効果的な無酸素運動の事例
筋肉トレーニングをする時は、運動の前後にストレッチを行い、筋肉をほぐしましょう。トレーニング中はどこの筋肉を使っているのかを意識し、ややきついと感じる程度に行うと効果的です。ゆっくりと呼吸をしながら動かし、急な運動をしないように心がけましょう。無理をすると続かなくなります。
- スクワット:両足を肩幅に開き、背筋を伸ばして膝を曲げる運動です。太ももの筋肉を意識しながら行うのが効果的です。
- 腹筋運動:一般的には床に仰向けになって行う腹筋運動が有名ですが、椅子に座って両ひざを胸に近づける運動でも構いません。勢いや反動をつけずに、ゆっくりと腹筋を意識しながら行うと効果的です。
- 背中と腰のひねり運動:壁際に立って足を肩幅程度に広げ、そこからゆっくりと身体をひねって壁に両手をタッチするようにします。反対側も同様に10回程度行います。座った状態であればイスの背もたれなどを利用してひねります。背中の筋肉を意識しながら行うと効果的です。
- かかとの上げ下げ運動:立ち上がった状態でかかとを上げ下げする運動です。電車やバスを待っている時などの隙間時間を利用して行いましょう。
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